組織の拡大に伴い、PCをはじめとする IT 機器の管理はますます高度化・複雑化します。資産がオフィス、従業員、部署、保管エリア間を頻繁に移動するため、手作業による台帳の維持・更新は容易ではありません。 RFID による IT 資産トラッキングは、IT 機器をより効率的に識別・追跡するソリューションを提供し、資産の可視性を高めると同時に、手作業で行う棚卸し工数を大幅に削減します。本ガイドでは、RFID を活用した IT 資産管理の具体的手法と、システム導入時に考慮すべき重要ポイントについて解説します。
1. RFID IT資産追跡とは?

RFID による IT 資産トラッキングは、RFID タグ、リーダー(読み取り機)、資産管理ソフトウェアを活用し、PC やその他の機器を識別・管理する仕組みです。
ノート PC やデスクトップ PC などの資産に RFID タグを貼付します。タグに含まれる固有の識別番号(ID)は、管理システム内の該当する資産情報と紐付けられます。
RFID リーダーがタグを読み取ることで、作業員がシリアル番号を手動入力したりバーコードを1点ずつスキャンしたりすることなく、システムが資産を即座に識別します。
The goal is not simply to know what equipment a company owns, but to maintain a more accurate record of where assets are, who they are assigned to, and how they move over time.
2. Why Use RFID for IT Asset Management?

従来の IT 資産管理は、スプレッドシート(エクセル等)の更新、バーコードスキャン、手作業による棚卸しに依存しがちでした。小規模な資産管理であればこれらの方法でも機能しますが、資産数が増加するにつれて膨大な時間と工数がかかるようになります。
大規模な IT 资产や移動の多い機器を管理する組織にとって、RFID はさまざまな面で大きなメリットをもたらします。
2.1 棚卸し作業の高速化
RFID を活用することで、1回のスキャン作業でタグが貼付された複数の資産をまとめて認識可能です。スタッフがバーコードを1点ずつ探して読み取る必要はありません。
これにより、定期的な棚卸し監査にかかる時間を大幅に削減できます。特に、機器がオフィス、機器室、倉庫などに分散して保管されている場合に高い効果を発揮します。
2.2 資産の可視性向上
IT 機器は拠点や場所を頻繁に移動します。ノート PC を例にとっても、従業員への支給、IT 部門への返却、他部署への移動、一時的な保管など様々です。
RFID はこうした移動履歴の一貫した記録に役立ち、資産が「あるべき場所」に正しく存在するかどうかの確認を容易にします。
2.3 手作業によるデータ入力の削減
シリアル番号、資産 ID、保管場所を手作業で記録すると、入力ミスの原因になります。RFID はスキャン時にタグ付き資産を自動識別するため、従業員が手動で入力するデータ量を大幅に削減できます。
2.4 資産監査(棚卸し)の効率化
正確な IT 記録を維持するためには、定期的な資産監査が不可欠です。
資産を 1 点拆逐次確認する代わりに、RFID リーダーでエリア全体をスキャンし、検知された資産と想定在庫(台帳データ)を照合できます。
これにより、以下のような状態を容易に特定できるようになります:
- 紛失資産
- 想定外の場所にある資産
- 未割り当て(未利用)の機器
- 重複または誤った記録
- 点検・確認が必要な機器
3. RFID による IT 資産トラッキングの仕組み
一般的な RFID IT 資産トラッキングソリューションは、RFID タグ、RFID リーダー(読み取り機)、資産管理ソフトウェアの 3 つの主要コンポーネントで構成されています。
| 構成要素 | 機能 |
| RFIDタグ | 各 IT 資産に固有の識別番号(ID)を付与 |
| RFIDリーダー | RFID タグを読み取り、資産識別データを取得 |
| 資産管理ソフトウェア | 資産情報を蓄積し、棚卸し・割り当て・移動履歴を管理 |
基本のワークフローは非常にシンプルです:
1. 資産へのタグ貼付
各 PC や機器に RFID タグを貼付します。
2. 資産情報の登録
RFID タグの固有 ID を、資産番号、シリアル番号、モデル、所属部署、使用者などの情報と紐付けます。
3. 資産のスキャン(読み取り)
ハンディ型または固定型の RFID リーダーで、タグが貼付された機器を検知・読み取ります。
4. 資産データの更新
収集された RFID データを資産管理システムに同期・更新します。
5. 資産ステータスのモニタリング
IT スタッフはシステム上で、資産の保管場所、割り当て状況、移動履歴、棚卸し状況を確認・管理できます。
4. RFID IT 資産トラッキングの導入手順
RFID による IT 資産トラッキングプロジェクトを成功させるには、単に PC に RFID タグを貼るだけでは不十分です。

4.1 対象資産の明確化
まずは、どの機器を管理対象に含めるかを決定します。高価な機器、移動頻度の高い機材、棚卸し作業の負荷が大きい資産は、RFID トラッキング導入の非常に良い対象となります。
4.2 適切な RFID タグの選定
タグの選定は、対象資産の表面材質や運用環境によって異なります。
例えば、ノート PC やプラスチック製の機器には小型の汎用ラベルタグが適していますが、サーバーや金属製機器には金属対応 RFID タグ(On-metal tag)が必要となる場合があります。
4.3 資産識別ルールの構築
各 RFID タグは、単一の資産レコードと 1 対 1 で対応させる必要があります。システム上で RFID ID を資産番号、シリアル番号、機器種別などのデータと紐付けることで、実物(物理資産)とデジタルデータ間に一貫した対応関係を構築します。
4.4 トラッキングワークフローの定義
どのタイミングで資産をスキャンし、いつステータスを更新するかを決定します。
主な対象イベント(タイミング)は以下の通りです:
- 資産の貸出・返却(チェックイン/チェックアウト)
- 拠点・保管場所間の移動(配置転換)
- 定期棚卸し監査
- 保守・メンテナンス
- 機器の廃棄・退役
明確なワークフローを定義することで、RFID データを単なる「ID データの集積」に形骸化させることなく、実用的で価値のある情報として継続活用できるようになります。
4.5 RFID データと資産管理ソフトウェアの連携
RFID リーダーは識別データを提供しますが、そのデータを有用な資産情報に変換するにはソフトウェアの介在が必要です。適切なシステムであれば、独立したスプレッドシート(エクセル等)に依存することなく、IT チームが資産の検索、ステータスの確認、移動履歴の記録、棚卸しの実行をシームレスに行えるようになります。
5. RFID による IT 機器トラッキングのよくある課題
RFID は IT 資産の可視性を大幅に向上させますが、導入にあたっては依然として慎重な計画が求められます。
5.1 金属表面への対応
多くの PC、サーバー、ネットワーク機器、および機器キャビネット(ラック)には金属素材が使用されています。標準的な RFID タグを金属に直接貼付すると、安定した読み取り性能を発揮できない場合があります。このような状況では、金属表面専用に設計された金属対応 RFID タグ(On-metal タグ)の使用を検討すべきです。
5.2 資産の移動管理
資産が部屋や建物間を頻繁に移動する場合、初期の保管場所を記録するだけでは不十分です。RFID システムは、貸出(チェックアウト)、返却(チェックイン)、移動・配置転換などの動態データを確実に捉えるワークフローへと組み込まれる必要があります。
5.3 データの正確性
RFID は資産識別の自動化を可能にしますが、元の資産記録が不正確であれば、得られるデータも不正確になってしまいます。そのため、RFID システムは一貫性のある資産データベースと連携させ、明確に定義された管理プロセスに基づいて運用する必要があります。
6. RFID による IT 資産トラッキングのベストプラクティス

RFID による IT 資産トラッキングシステムを導入する際は、以下のポイントを考慮してください:
- 高価な資産や移動頻度の高い機器から着手する:RFID 導入による具体的な効果やメリット(導入効果)の測定が容易になります。
- 実際の機器を用いてタグの読み取りテストを行う:金属表面、機器の筐体素材、設置位置などは RFID の通信性能(読み取り精度)に影響を与えます。
- 移動ワークフローを正確に定義する:どのタイミングでスキャンを行い、どの時点でステータスを変更するかをあらかじめ明確にしておきます。
- ベースとなる資産データを常に最新に維持する:RFID は識別作業を自動化しますが、台帳に含まれる基本的な資産情報自体は継続して維持・更新する必要があります。
- リーダー(読み取り機)の選定を慎重に行う:ハンディ型リーダーは棚卸しや特定機器の捜索・特定に威力を発揮し、固定型リーダーは特定の出入口やゲートでの通過検知に適しています。
- 導入前にシステム全体で運用テスト(全行程検証)を行う:タグ、リーダー、ソフトウェア、そして実際の IT 機器を個別に評価するのではなく、ワークフロー全体を通して総合的に検証することが重要です。
当社の資産トラッキングシステム TrakOn™は、RFID による識別データを資産台帳(レコード)およびトラッキングワークフローとシームレスに連携します。IT チームは RFID タグ付き資産を活用することで、資産の貸出・返却(チェックイン/チェックアウト)、位置トラッキング、棚卸し監査、および資産のライフサイクル管理といった一連のプロセスを効率的に運用・支援できます。
7. 結論
RFID タグ、リーダー、資産管理ソフトウェアを組み合わせることで、企業は手作業による棚卸し工数を削減し、資産の移動履歴をトラッキングして、より正確な台帳記録を維持できます。重要なのは、適切なタグの選定、明確なトラッキングワークフローの定義、そして RFID 資産トラッキングシステムの連携です。
RFIDSolution は、企業向けに資産トラッキングシステムを提供しています。信頼性の高いトラッキングソリューションをお探しの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせいただき、サンプルキットをご請求ください。



